保育園の洗礼はいつまで?風邪ばかりの原因と7つの基本の対策

「保育園に通い始めたら、毎週のように風邪を引いている」「治ったと思ったらまた発熱で呼び出し」——入園後にこんな状況が続くと、「この子は免疫が弱いの?」「いつまで続くの?」と不安になりますよね。
この現象は 「保育園の洗礼」 と呼ばれ、入園した子どもの大半が経験するものです。800名の保護者を対象にした調査では、約9割のママ・パパが子どもからの家庭内感染を経験し、入園1か月以内に仕事の遅刻・早退・欠勤を経験したママは約5割にのぼると報告されています。
この記事では、保育園の洗礼が起きる原因と期間の見通しを研究データで示したうえで、家庭でできる7つの予防対策、仕事との両立に使える制度、そして「今の風邪は将来の免疫につながるのか」という疑問にもお答えします。
「保育園の洗礼」とは?入園後に風邪が増える理由
保育園の洗礼=入園後に感染症を繰り返す現象
「保育園の洗礼」とは、保育園に入園してから子どもが風邪や感染症を繰り返す現象のことです。正式な医学用語ではありませんが、育児の現場ではすっかり定着した言葉で、保護者の約6割がこの言葉を知っているという調査結果もあります。
筆者も実際に経験しましたが、入園して最初の1か月間は、子どもが体調を崩して看病のために仕事を休み、さらに子どもから病気がうつって自分も寝込むという状況が続きました。とても理解のある職場だったので助かりましたが、それでも「申し訳ない」という気持ちでいっぱいでした。
なぜ保育園で風邪をもらいやすいのか
乳幼児が保育園で感染症にかかりやすい理由は、大きく3つあります。
1. 免疫の発達が途上にある
生まれたばかりの赤ちゃんは、お母さんから胎盤を通じてもらった抗体(IgG抗体)で守られています。しかし、この抗体は生後6か月頃までに徐々に減少します。その後は、自分自身がウイルスや細菌に触れることで少しずつ免疫を獲得していきます。
つまり、保育園に通い始める0〜2歳の時期は、 お母さんからもらった免疫が減り、自分の免疫がまだ十分に育っていない「免疫の谷間」 にあたるのです。
2. 集団生活による接触機会の増加
家庭で過ごしている場合、子どもが接触する人数は限られています。一方、保育園では同年齢の子どもたちが密に接触し、おもちゃの共有、食事、おむつ替えなどを通じてウイルスが広がりやすい環境にあります。
3. 子ども特有の行動パターン
乳幼児は手を口に入れる、鼻水を手で触る、おもちゃをなめるなど、大人なら避ける行動を日常的に行います。こうした行動が、ウイルスの接触感染を助長します。
在宅の子どもとの違い
アメリカの小児感染症の教科書的文献では、5歳未満の子どもの呼吸器感染症の約10〜17%が、集団保育施設への通園に起因するとされています。また、新たに集団保育に入った子どもは、在宅の子どもと比べて入園初月に下痢の発症率が3倍高かったという報告もあります。
デンマークの保育施設のデータでは、3歳未満の子どもの年間平均病欠日数は約24日(月に約2日)にのぼります。3〜6歳になると年間平均11日に減少しており、年齢とともに病欠が減っていくことがわかります。
いつまで続く?保育園の洗礼の期間と見通し
入園2か月後がピーク、半年で落ち着くデータ
「いつまでこの状態が続くの?」というのは、保育園の洗礼を経験する親にとって最も切実な疑問です。
フィンランドのトゥルク大学のSchuez-Havupaloらが1,827名の子どもを追跡し、そのうち894名を詳しく分析した研究によると、以下のことがわかっています。
- 入園前: 月平均で風邪の症状がある日は3.79日
- 入園2か月後: 症状のある日が10.57日に急増(約2.8倍)
- 入園5か月後: ベースライン(入園前の水準)に戻る
つまり、最もつらい時期は入園後2か月目あたりがピークで、半年ほどで入園前の状態に落ち着くということです。もちろん個人差はありますが、「永遠に続くわけではない」という見通しを持つことで、気持ちは少し楽になるのではないでしょうか。
年齢別の傾向
保育園の洗礼の出方は、入園する年齢によっても異なります。
0歳クラス(生後6か月〜1歳前後で入園)
お母さんからもらった抗体が減少するタイミングと入園が重なるため、最も感染症にかかりやすい時期です。発熱の頻度が高く、RSウイルスや胃腸炎など重症化しやすい感染症にも注意が必要です。
1歳クラス(1歳前後で入園)
入園者が最も多い年齢層です。0歳クラスから持ち上がりの子どもたちはすでにいくつかの感染症を経験しているため、1歳から入園した子のほうが相対的に「洗礼」を強く感じる傾向があります。
2歳クラス(2歳前後で入園)
免疫システムが0歳・1歳よりも発達しているため、風邪の頻度や重症度はやや軽い傾向にあります。ただし、それまで集団生活を経験していなければ、やはり入園後の感染増加は避けられません。
【実体験】対策しても感染するときはする
前述の通り、筆者も最初の1か月間は発熱と看病の繰り返しでした。通常の感染対策(手洗い・消毒など)は行っていましたが、感染するときは感染してしまうのが現実です。特別な乗り越え方があったわけではなく、時間の経過とともに子どもの免疫が育ち、休む頻度が自然と減っていきました。
ただし、感染症が流行する時期にはやはりうつりがちです。「仕方がないと割り切る」ことも、この時期を乗り越えるために大切な心構えだと実感しています。
保育園で流行しやすい感染症カレンダー

保育園でかかりやすい感染症は、季節によって傾向が異なります。こども家庭庁の「保育所における感染症対策ガイドライン」と日本小児科学会の資料をもとに、時期別にまとめました。
春〜夏に流行しやすい感染症
| 感染症 | 流行時期 | 潜伏期間 | 主な症状 |
|---|---|---|---|
| 手足口病 | 5〜8月(7月ピーク) | 3〜6日 | 手・足・口の発疹、発熱 |
| ヘルパンギーナ | 5〜7月 | 2〜4日 | 高熱、のどの水疱 |
| 咽頭結膜熱(プール熱) | 6〜8月 | 2〜14日 | 高熱、のどの痛み、結膜炎 |
| 溶連菌感染症 | 春〜初夏・冬 | 2〜5日 | 発熱、のどの痛み、発疹 |
秋〜冬に流行しやすい感染症
| 感染症 | 流行時期 | 潜伏期間 | 主な症状 |
|---|---|---|---|
| RSウイルス | 秋〜冬(近年は夏にも) | 4〜6日 | 鼻水、咳、発熱、喘鳴 |
| インフルエンザ | 12〜3月 | 1〜4日 | 高熱、全身倦怠感、筋肉痛 |
| ノロウイルス(胃腸炎) | 11〜3月 | 12〜48時間 | 嘔吐、下痢、腹痛 |
| ロタウイルス(胃腸炎) | 2〜5月 | 1〜3日 | 激しい嘔吐・下痢、脱水 |
家庭でできる7つの予防対策
「感染するときは感染してしまう」のが現実ですが、リスクを減らすためにできることはあります。ここでは、研究で効果が確認されている対策を中心に紹介します。
1. 帰宅後の手洗い・手指消毒を習慣に
スペインのアソル=マルティネスらが、24の保育施設に通う0〜3歳の911名を対象に行ったランダム化比較試験(対象者をランダムに2グループに分けて比較する、最も信頼性の高い研究手法)では、手指消毒剤を使用したグループは通常の手洗いグループと比べて呼吸器感染症のリスクが23%低下し、抗生物質の処方も31%減少したと報告されています。
小さな子どもに手洗いを教えるのは根気がいりますが、「帰ったら手を洗う」を親子の習慣にすることが、最もエビデンスのある感染予防策です。子ども用の泡ハンドソープを使うと、楽しみながら手洗いしやすくなります。
2. 鼻水はこまめに吸引する
鼻水が詰まったままだと、中耳炎や副鼻腔炎につながるリスクが高まります。
ベルリンのシャリテ医科大学(ドイツ)のPizzulliらが3〜72か月の子ども89名を対象に行った研究では、自動鼻吸引器(電動鼻吸い器)を使用したグループは、使わなかったグループと比べて上気道症状のある日が約半分(25.0% vs 46.4%)にまで減少しています。
また、生理食塩水を使った鼻洗浄(鼻うがい)についても、ポルトガルのCruzらによる最新の系統的レビュー(複数の研究を統合して分析する手法)で、上気道感染症の症状の重症度を軽減する可能性があり、抗生物質と比較して副作用が少ないと評価されています。
電動鼻吸い器は、保育園の洗礼を経験する家庭では「買ってよかった育児グッズNo.1」に挙がることも多い定番アイテムです。その他の便利な育児グッズについては本当に必要だった育児グッズまとめも参考にしてみてください。
3. 十分な睡眠時間を確保する
カーネギーメロン大学(アメリカ)のPratherらが164名の成人を対象に行った有名な研究では、1日5時間未満の睡眠は、7時間以上と比べて風邪の発症リスクが4.5倍になることが示されています。
これは成人のデータですが、幼児ではさらに長い睡眠時間が必要です。フランスのEDEN出生コホート(ダヴィドヴィックらの研究チーム)が687名の幼児を追跡した縦断研究では、睡眠時間が持続的に短い子どもは、5歳時点で炎症性サイトカイン(免疫に関わるタンパク質)のレベルが上昇していました。つまり、慢性的な睡眠不足は幼児の免疫バランスにも影響を与える可能性があるのです。
厚生労働省は、1〜2歳で11〜14時間(昼寝を含む)の睡眠を推奨しています。保育園の生活リズムに合わせて、夜は遅くとも21時までに寝かせることを目標にしましょう。
4. バランスの良い食事で腸内環境を整える
免疫細胞の約7割は腸に存在すると言われています。バランスの良い食事、特に発酵食品(ヨーグルト、味噌など)や食物繊維を含む食品は、腸内環境を整えて免疫力の維持に役立ちます。
1歳以降であれば、無糖ヨーグルトを朝食やおやつに取り入れるのが手軽です。ただし、特定の食品やサプリメントだけで風邪を予防できるわけではありません。主食・主菜・副菜のバランスを基本にしましょう。
5. 室内の湿度管理
冬場の乾燥した環境では、ウイルスが空気中に長く漂いやすくなります。室内の湿度を50〜60% に保つことで、ウイルスの生存率を下げる効果が期待できます。
加湿器を使う場合は、カビや雑菌の繁殖を防ぐために定期的な清掃が必要です。加湿器が難しければ、濡れタオルを部屋に干すだけでも湿度を上げることができます。
6. 予防接種のスケジュールを確認
予防接種は、重症化しやすい感染症から子どもを守る最も確実な方法です。保育園入園が決まったら、かかりつけ医に相談して接種スケジュールを確認しましょう。
保育園で流行しやすい感染症のうち、ロタウイルスと水痘(みずぼうそう)はすでに 定期接種 に組み込まれています。通常のスケジュール通りに接種していれば、入園前には完了しているはずです。
- ロタウイルスワクチン(定期接種):生後6〜32週に接種。胃腸炎の重症化を予防
- 水痘ワクチン(定期接種):1歳と2歳の計2回接種。集団生活での感染を予防
一方、 インフルエンザワクチンは任意接種(有料) ですが、保育園児は毎年の接種が推奨されています。
接種スケジュールが遅れている場合は、入園前に「追いつき接種」ができないかかかりつけの小児科医に相談してみてください。入園準備全般については保活ガイドもあわせてご覧ください。
7. 親自身の感染対策も忘れずに
オーストラリアのニューサウスウェールズ大学(UNSW)のMacIntyreらの研究では、呼吸器感染症にかかった子どもの家庭内成人の約12%が1週間以内に同様の症状を発症したと報告されています。日本の保護者800名を対象にした調査でも、約9割が家庭内感染を経験しています。
子どもの看病中はマスクの着用、こまめな手洗い、食器やタオルの共有を避けるなど、基本的な対策を心がけましょう。親が倒れると家庭全体が回らなくなるため、自分の体調管理も大切です。
筆者もまさにこの「子どもから親にうつる」パターンを繰り返しました。子どもの看病で疲れているところに感染するので、余計にこたえます。
仕事との両立 — 使える制度とサポート

保育園の洗礼で最も頭を悩ませるのが、仕事との両立です。日本の800名の保護者を対象にした調査では、入園後に子どもの体調不良で遅刻・早退・欠勤を経験したママは 93.9% にのぼり、入園1か月以内にそうした経験をしたママは 約5割(48.5%) というデータがあります。
子の看護休暇(2025年4月改正のポイント)
「子の看護休暇」は、育児・介護休業法で定められた法定の休暇制度です。2025年4月の改正で、以下のように拡充されました。
- 対象の子どもの年齢: 小学校就学前 → 小学校3年生修了までに拡大
- 取得事由の追加: 感染症による学級閉鎖等にも対応
- 取得日数: 子ども1人あたり年5日(2人以上で年10日)
- 取得単位: 半日単位でも取得可能
ただし、看護休暇が「有給」か「無給」かは会社の規定によります。厚生労働省の調査では 65.1%の事業所が「無給」 としており、制度があっても使いにくいと感じる親が少なくありません。入園前に、自社の規定を確認しておくことをおすすめします。
病児保育・病後児保育の使い方
病児保育は、風邪や感染症で保育園に行けない子どもを、専門のスタッフが預かってくれるサービスです。
- 病児対応型: 病気の急性期でも預かってもらえる
- 病後児対応型: 回復期にある子どもが対象
利用料金は自治体や施設によって異なりますが、1日2,000〜5,000円程度が一般的です。利用には事前登録が必要な場合が多いため、入園前に最寄りの病児保育施設を調べて登録しておくことを強くおすすめします。当日になって探し始めると、満員で利用できないことも珍しくありません。
ただし、インフルエンザやノロウイルスなど感染力の強い疾患は、病児保育でも受け入れ不可の場合があります。施設ごとに対応可能な疾患が異なるため、登録時に確認しておきましょう。
ファミリーサポート・ベビーシッターという選択肢
病児保育が見つからない場合や急な呼び出しに対応できないとき、以下のサービスも選択肢になります。
- ファミリーサポートセンター: 自治体が運営する相互援助事業。比較的安価(1時間600〜1,000円程度)で利用できるが、事前にマッチングが必要
- ベビーシッター: 病児対応のシッターサービスもある。費用は高め(1時間2,000〜4,000円程度)だが、自宅で見てもらえる安心感がある
いずれも感染症の種類によっては対応できないケースがあるため、事前に対応範囲を確認しておくことが大切です。
パートナーとの役割分担
「保育園の洗礼」の期間中は、急な呼び出しや看病が頻繁に発生します。どちらか一方だけが仕事を休み続けると、キャリアへの影響や精神的な負担が偏ってしまいます。入園前にパートナーと以下の点を話し合っておきましょう。
- 急な呼び出し時にどちらが迎えに行くかのルールを決める(曜日で交代、「今週は自分」など)
- お互いの仕事のスケジュールをカレンダーアプリで共有し、「この日は会議があるから休めない」を可視化する
- 病児保育やファミリーサポートなど、 2人とも休めないときの「第三の選択肢」 を事前に登録しておく
職場への伝え方についても、相手に丸投げにせず、自分の口で「入園後しばらくは対応が必要になります」と伝えることが大切です。
職場への伝え方と事前の備え
復職前や入園前に、上司や職場に以下の点を共有しておくと、急な欠勤時にスムーズです。
- 入園後しばらくは子どもの体調不良で急な欠勤・早退が増える可能性があること
- 緊急時の連絡方法と引き継ぎの手順
- リモートワークやフレックスタイムが利用可能かどうか
「入園直後の1〜2か月が特に不安定で、徐々に落ち着いていきます」と見通しを伝えることで、職場の理解も得やすくなります。
筆者の場合は、とても理解のある職場だったので助かりました。それでも申し訳ない気持ちはぬぐえませんでしたが、事前に「しばらくご迷惑をおかけするかもしれません」と伝えておいたことで、心理的なハードルは少し下がったように思います。
今の風邪は将来の免疫につながるのか
「今こんなに風邪ばかり引いているのは、将来のためになるの?」という疑問は、多くの親が抱く気持ちです。この点については、研究によって見解が分かれています。
「小学校で風邪が減る」という研究結果
アリゾナ大学(アメリカ)のBallらが出生から13年間にわたって子どもの風邪の頻度を追跡した研究では、2歳半より前に大規模保育施設に通った子どもは、小学校低学年で風邪が有意に少なくなったと報告されています。
同様の結果は、カナダ・ケベック州の3,963名の新生児を8年間追跡したCoteらの人口ベースの縦断研究でも確認されています。2歳未満で集団保育に入った子どもは、就学前は感染症が増加したものの、小学校時代には呼吸器感染症・胃腸炎・中耳炎が減少しました。
これらの研究は、早期の集団保育が感染症の「時期」を前倒しにするだけで、生涯の総感染回数を増やすわけではないことを示唆しています。
ただし慎重な見方もある
一方で、より大規模な研究は慎重な結論を示しています。
コペンハーゲン大学(デンマーク)のLauenborg Mollerらが1997〜2014年に生まれた約100万人の子どもを対象にした出生登録データをもとにした大規模追跡調査では、12か月未満で入園した子どもは3歳で入園した子どもと比べて6歳時点で累積0.5〜0.7回多い感染症を経験しており、この差は思春期まで持続していました。
つまり、「小さいうちにたくさん風邪を引けば将来風邪を引かなくなる」というシンプルな話ではなく、研究によって結果が異なるのが現状です。
「仕方がないと割り切る」ことも大事
研究結果はさまざまですが、ひとつ確かなのは、保育園で感染症にかかること自体は異常ではなく、子どもの免疫が育っていく自然な過程の一部だということです。
筆者も「乗り越えた方法」を聞かれると答えに困りますが、正直なところ、時間が経てば子どもの免疫が育ち、休む頻度は自然と減っていきました。感染症が流行する時期にはやはりうつりがちですが、それも含めて「仕方がない」と割り切ることが、この時期を乗り越える一番のコツかもしれません。
自分の気持ちも大切にする
保育園の洗礼の期間中は、「保育園に預けなければこんなに病気にならなかったのでは」「仕事を辞めたほうがいいのかな」と自分を責めてしまうことがあるかもしれません。
しかし、集団生活を通じた感染症は、いつか必ず通る道です。保育園の時期に経験しなければ、幼稚園や小学校の入学時に同じことが起きます。預けたことは間違いではありません。
つらいときは、一人で抱え込まないでください。
- 地域の子育て支援センターに行ってみる。同じ月齢の子を持つ親と話すだけで気持ちが軽くなることがあります
- パートナーに気持ちを伝える。「申し訳ない」「つらい」という感情を共有するだけでも、孤立感は和らぎます
- かかりつけの小児科医に相談する。「こんなに風邪ばかりで大丈夫ですか?」と聞くだけで、「大丈夫ですよ、みんなそうですよ」と言ってもらえることが安心につながります
まとめ — 保育園の洗礼を乗り越えるために
保育園の洗礼について、この記事のポイントをまとめます。
- 保育園の洗礼は一時的なもの。研究データでは、入園2か月後がピークで、半年ほどで入園前の状態に落ち着く
- 約9割の家庭が経験している。「うちだけ」ではなく、ほとんどの家庭が通る道
- 家庭でできる対策はある。特に手洗い(感染リスク23%低下)、鼻水吸引(上気道症状が約半分に)、十分な睡眠は効果が確認されている
- 使える制度を事前に調べておく。子の看護休暇、病児保育、ファミリーサポートなどの情報を入園前に集めておくと、いざというとき慌てない
- 「割り切る」ことも大事。対策をしても感染するときはする。時間が経てば免疫は育つ
保育園に預けたことを後悔する必要はありません。今つらい時期を過ごしているあなたは、きっと半年後に「あの頃は大変だったな」と振り返れる日が来ます。
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